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執筆者の写真松本浩彦

2017年、最初のインフルエンザ情報と花粉症情報

ずは2017年、最初のインフルエンザ情報からです。

年明け1月4日から、だいたい一日一人、インフルレンザの患者さんが受診されています。連休明けになってこれが一日あたり、2人~3人に増えました。昨年暮れの12月は2日に一人くらいのペースでしたので、そろそろ増えてきたいという印象です。

いつも言ってる事ですが、インフルエンザは子供が媒介する病域です。学校とか通学電車の中でウイルスをもらって来て、家でお母さん、お父さん、お兄ちゃんお姉ちゃんにうつる。お兄ちゃんお姉ちゃんが潜伏期間中に学校に行って、また友達にうつす。

3学期が始まり、1月14日と15日、ちょうど大学入試センター試験の頃というと、なぜか毎年、計ったように寒波がやってきます。今年もこの極寒の二日がヤマと言えばヤマでしょう。

湿度があるていど高ければ良し。空気の乾燥が進むほど、インフルエンザウイルスは活発になります。

インフルエンザの潜伏期間は3日から4日です。1月20日前後の患者さんの動静が気になるところです。ただし、昨年末に私が予想しましたが、2016年夏の南半球での流行状況から考えて、今冬の日本におけるインフルエンザははせいぜい中流行と見ています。

これまたいつも言ってますけど、外れたらゴメンナサイ、ですけどね。

さて、インフルエンザもいよいよこれから最盛期に向かって行くわけですけど、忘れては行けないのがスギ花粉症です。今年はスギ・ヒノキの花粉飛散量は近畿地方では「昨年の3倍以上!」と予想されています。じつは昨年が一昨年の1.5~2倍でしたので、2015年(H. 27)と比べると、なんと5~6倍になるとのこと。これは一大事です。今からしっかり準備しておきましょう。

最もオーソドックスな治療法は抗ヒスタミン剤の内服ですが、これは花粉が飛び始める2週間前から毎日薬を呑み続けることで、ようやく効果が出てきます。つまり、花粉が飛び始めてからでは遅い、と言うことですね。

「アレグラ」や「ザイザル」「クラリチン」「タリオン」などに代表される第3世代の抗ヒスタミン剤、これは眠気も出ずよく効く薬ですが、飲み始めて本当の効果が出るまで2週間かかります。

難しい言葉で言いますと、抗ヒスタミン剤は「血中濃度の維持」が大切なんです。ですので、今日は雨が降ってるから飲まないでおこうとか、今日は風が強いから二錠飲んでおこうとか、そういう勝手な事は絶対にやめて頂きたいのです。花粉が飛び始めたら飛び終わるまで、毎日決められた量をキッチリ飲み続けること。飲んだり飲まなかったりは、いちばん「もったいない」飲み方です。

これは憶えておいて下さい。

さて、毎年の事ですが、インフルエンザに花粉症と、辛い季節がやってきます。なにせ日本という国は、一年を通じて気温差が50度という、きわめて特殊な環境にある国です。寒い日は年に一回くらい神戸でもちょっと山の手に行くと、零下10度なんて朝があるでしょう?夏の盛りの三宮のビル街なんか、体感温度は40度を超えます。こんな国、世界中を探したって滅多にありませんよ。それを日本人は昔から「四季折々を愛でる」なんて悠長なこと言って来たんです。なんとのんびりした国民性なんでしょうねぇ。

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