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執筆者の写真松本浩彦

生理前後の体臭の変化

女性は、生理前や生理時に体臭が強くなったり、変化したりするものなのです。排卵後に分泌が増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で、皮脂分泌が高まることから、皮脂腺の出口で脂肪酸が酸化してしまった結果、汗などと混じり、普段と違った体臭が発生しているのです。

そしてご本人も、排卵期や生理前、生理時に自分の体臭が強くなったと感じることがあります。これも女性ホルモンの影響で、嗅覚が敏感に働いている証拠です。

また、生理時には経血がでてくるので、これが空気に触れて酸化されと鉄臭が発生します。それに加えて、ナプキンやタンポンを長時間交換しなかったりすると、血なまぐさい(女性の方、ごめんなさい。でも一番分かりやすい表現のつもりです)臭いはさらに強くなって当然です。

中高年の「加齢臭」という言葉は有名ですが、女性の場合も加齢とともに臭いが変化します。これは、閉経に伴う女性ホルモンの減少が大きく関わります。

そう、更年期になると、女性も男性と同じように、女性ホルモンが減少して皮脂分泌が盛んになってきます。そして皮脂腺の中に「パルミトオレイン酸」という皮脂が増えて、これが活性酸素によって酸化されることにより、体臭の元である脂肪酸に次々と化学変化していくのです。

また、更年期になると自律神経がうまく働かず、発汗のコントロールが上手くできなくなる方もおられます。

さて問題のお友達ですが、一般的に女性は膣から「下り物」とよばれる分泌物が体外に排出されます。下り物は、正常だと無色透明か白色で、空気に触れると酸化され黄色っぽくなり、甘酸っぱい臭いがすることもあります。もちろん個人差があるので、それが「悪臭」だと感じられる場合は病気の可能性もあります。

たとえば「トリコモナス膣炎」「細菌性膣症」など、性交渉による感染症です。トリコモナス膣炎の場合は、下り物が黄色や黄緑色のなり、膿のような悪臭とともに、外陰部に痒みをともないます。

細菌性膣症は、腟でガルドネラ菌やマイコプラズマなどが異常繁殖することにより起こります。

そういう感染症の時の下り物は、魚のような生臭い臭いがし、それ以外の痛み等の症状が少ないことも特徴です。

ところが、更年期の加齢臭や感染症ならまだ良いのですが、糖尿病であったり、

肝機能障害、貧血などの病気でも体臭が「臭い」と感じられることがあります。ですので、生理の時の臭いが強いくらいは、言ってみれば可愛いもので、体臭が変わるということは、実は大病の兆候であることも多々あるのです。余談ですが、私は昔から鼻が良く、癌患者さんの体臭がけっこう判るのです。これは25年の医師生活で、意外に役に立ちました。

 

まぁそれは良いとして、一般的に考えると、女性のデリケートゾーンは、女性機能によって生まれる分泌物が集中するため、清潔を保つのが一番です。ただ、膣自体がデーデルライン桿菌という自浄作用をもつ菌で守られているため、石鹸で強く洗ったりするとかえって良くありません。シャワーで洗い流す程度にしておいてください。

また、生理時にはナプキン等はこまめに取り換えましょう。市販の「おりものシート」を利用するといつでも清潔な状態を保つことができますが、これもナプキンと同様、長時間の使用は控えて下さいね。

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