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授乳婦への内服投与について

執筆者の写真: 松本浩彦松本浩彦

先日授乳中のお母さんにジスロマックを処方したら、たいそうご心配されました。

ジスロマックはマクロライド系抗生物質のうちでも半減期が長く、1日1回の内服で良いと言われており、われわれ医者にとっても、とても処方しやすい薬です。

よく効きますしね。


「半減期が長いのは、母乳育児中には良くないのではないか?」という考え方には一理ありますが、 ジスロマックの利点は、母乳に移行しにくい薬だということです。

例えば体重5kgの赤ちゃんであれば、母乳からジスロマックを約2.0mg/日摂取することになり、 これは臨床的には全く問題にならない量です。

そもそもジスロマックには小児用製剤があります。 同じく体重5kgの赤ちゃんであれば50mg/日内服させます。


いま、赤ちゃんがいて母乳をあげているお母さんたちに覚えておいて欲しいことがあります。

薬の添付文書は動物実験による注意事項を記載しているだけで、 人体への影響を正確に予測する物ではありません。

また、添付文書自体が、医師によって解釈もまちまちですので、 日本では厚労省事業の一環として「国立成育医療研究センター」で科学的な情報をもとに評価を行い、 授乳期でも安全に使用できると考えられる薬をリストアップしています。

それによりますと、いま「病院で処方される薬は、ほぼ全て授乳中でも安全に服用できる」薬とされていますので、

授乳婦だからこれはダメ、というのは実際のところ全くご心配いりません。

ちなみに母子成育医療研究センターで、これはダメ、と言ってるのは、実はこれだけです。 ヨウ化ナトリウム1310・ヨウ化ナトリウム1230・ヨードカプセル-123(放射性ヨウ素)、 コカイン(麻薬)、アンフェタミン(覚醒剤)、アミオダロン・アンカロン(抗不整脈薬)。

抗生物質が必要となった場合、よく相談して、理解した上で治療を受けることが大切ですね。

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