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執筆者の写真松本浩彦

こむら返り

最近、めっきり秋らしく、朝夕がしのぎやすくなってきましたね。さて、この時期に患者さんの訴えとしてよく聞かれるのが「こむら返り」。寝ている時によく足がつるという方が増えています。

特に寝ているとき、それも朝方によく起きるとおっしゃいます。

いわゆる「こむら返り」は、正確には「腓腹筋痙攣症」といい、ふだんあまり使っていないふくらはぎの筋肉や神経が異常な緊張を起こして、収縮したまま戻らなくなることを言います。


長時間の運動のあとや、運動不足の人が急に山登りをしたとか、体力が落ちているときにも起こります。また、高齢者の場合、慢性的な運動不足があるため、ちょっと足を伸ばしたり、衝撃を受けただけでも簡単に起こってしまいます。

病的な原因としては、体液の一時的な電解質異常、狭心症、肝機能障害、多発性神経炎など、多くの病気が考えられます。そのため、特に病気を限定するのはむずかしく、よほどひどい場合を除いては、これまで述べた筋肉の疲労が原因と考えてよいと思います。


夜に起こりやすいのは、起きている間に、ふくらはぎの筋肉にたまった疲労の原因である乳酸が、しっかり代謝・排出されないまま就寝してしまうことに始まります。

寝ているときは下半身の体温が低下し、さらに布団の重みで足先が伸びた状態になっていますので、よけいにこむら返りが起こりやすくなるのです。筋肉の冷えとビタミンB1の欠乏も、さらに、こむら返りを起こしやすくします。


予防法としては、筋肉を冷やさないこと、寝る前にマッサージやストレッチをするなど、以外に簡単なことです。漢方で芍薬甘草糖というものが有効である場合が多く、これを1包、就寝前に飲んで寝る、というのも手段のひとつです。


夜間寝ている間に起こるこむら返りについては、重篤な病気の兆候と考えるよりは、まずは慢性的な運動不足が原因だと考え、日ごろからウォーキングやマッサージで、下半身をケアするように心がけてください。

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