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  • 執筆者の写真松本浩彦

小児の紫外線ケアについて

地球上の生物にとって太陽光線は必要不可欠な存在です。その太陽から出る紫外線が人類に悪い影響を与えるなど、考えにくいことです。しかし、残念ながら、紫外線は皮膚にとって大変危険なものであることがわかってきました。 紫外線は光老化、皮膚癌発生リスクを高める有害物質で、一生に浴びる紫外線の80%は18歳までに浴びているといわれます。そのため、小児であっても紫外線予防は大切です。

紫外線が皮膚細胞のDNAを傷つけその影響が徐々に蓄積され、やがて肌の老化や「シミやシワ」として現われます。

20才までは日焼けを繰り返しても皮膚の老化が目立たないので、子供の日焼けは無害だと言われてきましたが、小児期からの無駄な日焼けの影響が、60~80才になって現れてきます。また、紫外線は皮膚の細胞の遺伝子DNAに特異な損傷を誘発し、20歳を過ぎると皮膚の老化が少しづつ現れ、60歳を過ぎると皮膚癌が発症する可能性が高まります。

紫外線による悪影響はすぐには現れません。しかし、確実に皮膚に障害を与えつづけています。 だからといって、小児の場合、日焼け止めを大量に塗ることで、皮膚の刺激になったり、かぶれを起こすこともありますから注意が必要です。

もう40年ほど昔ですが、私たちが子供の頃は夏休みは一日中外で遊んで、みんな真っ黒になっていたものでした。紫外線はたしかに注意すべき問題ですが、人間には、損傷されたDNAを自己修復する機能もしっかり備わっています。

前述の話を真に受けると、あたかも屋外には紫外線という猛毒が降り注いでいると感じて、子供を外に出すことを極端に怖がる方も多いと思いますが、実際にそれほど怖れるほどのことはありません。

昔と比べて、子供が外で遊ぶことも減っています。あくまで適度に、夏場には帽子を忘れない、程度の注意で、紫外線予防は充分だと考えます。また皮膚ガンの発生も、白人にくらべて黄色人種は極端に発ガンリスクが低いという報告もあります。事実は事実としても、情報に惑乱されて必要以上に心配するのはかえって危険です。



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