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ポリフェノールって何のこと?

執筆者の写真: 松本浩彦松本浩彦

もともと私は二十年近く前、大学でポリフェノールの中でも、緑茶に含まれるカテキンという物質と、赤ワインや紅芋などに含まれるアントシアニンを使って、発癌を予防するというテーマで研究していました。 たくさんのラットやマウスを飼い、それを二つのグループに分け、一方には緑茶を飲ませ、他方には水道水を飲ませます。餌は同じです。そして毎日、DMHとかENNGとかMNNG(こんなの覚える必要ありません)などといった、強力な発癌剤をネズミに注射したり飲ませたりするのです。

半年ほどそうやって飼い続けた後、ネズミさんたちには成仏していただいて解剖し、食道や胃や腸に出来ている癌を調べると、緑茶を飲ませたネズミは、水道水のネズミに比べて発癌率がザックリと言って三分の一でした。アントシアニンに至っては、水道水のマウスがほとんど癌になっていたのに対して、アントシアニンを飲ませていたマウスは発癌率が0でした。これはいくら何でも結果が良すぎる。あとで捏造だと言われかねません。でももう一度追試をするとなると、また半年ネズミを飼い続けるのが面倒で、結局そのデータはお蔵入りになりました。

このように、私の専門はポリフェノールによる発癌予防でした。これはもともと、静岡県の人は虫歯が少ないという疫学調査報告があって、それは緑茶のポリフェノールによるものではないかという仮説から、日本でポリフェノールの研究が始まった端緒です。


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